3月下旬、livedoorNEWS誌は、小島監督に『日本に本物のクリエイターはいるのか? 小島秀夫監督が「作家性」にこだわる理由』と題し、コジマプロダクションにてインタビューを行いました。掲題の件はもちろん、当時コナミ時代の話が聞けたり、独立第1作目である『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』についてなど、ボリュームのある内容となっています。
インタビューの掲題を以下に挙げてみました。これだけでも小島監督の考えが分かるような気がします。
- そもそもメジャーな作品をつくろうと思ったことがない
- つくりたいものをつくるには。ひとりでやると決めた新人時代
- 「作家性」を出すには、自分で財布を管理することが重要
- いいプロデューサーはいないと思ったほうがいい
- 独立してもゲームつくりの姿勢は変わらない
- 新しいことは理解されないから「ついてこい」しか言えない
- 『デススト』のプレイヤー層は『あつ森』と似ている
- ビジネス優先のモノづくりを続けると、日本は終わる
- 誰かの助けになっている。生涯現役の最大のモチベーション
興味深い質疑応答をピックアップ
強い作家性を残したままメジャーな作品をつくることは、現実的にはかなり難しい、と。小島監督はどうやってクリアしているのでしょうか?
いや、僕はそもそもメジャーなものをつくろうと思ったことがないですから。『メタルギア』シリーズだって当時は売れると思ってなかったですし。
友人であるギレルモ・デル・トロやニコラス・ウィンディング・レフンだってそうですよ。みんなもともとニッチな志向があり、やりたいことはインディーズにあった。
でも、そういうコアな作品を一歩一歩積み重ねる過程でフォロワーが増えていき、あるときにブレイクしたんです。
セールス面ではいかがですか?(筆者注:デスストの件)
「ここまでいけば黒字」というラインは全然超えているので、開発費の回収も含めて「成功」と言っていい数字だと思います。これからPC版もリリースしますし、次に向けて準備ができるだけの利益は確保できていますから、心配はいらないですよ。
次に向けての準備とは?
まだ企画の段階なので話せませんが、水面下ではいろいろと動かしています。ただつい最近大きな企画がポシャってしまって、ちょっとムカついてます(笑)。まあこの業界ではよくあることですけど。
先日、『MGS』や『P.T.』の版権を買い取る動きがあると噂が出ていましたが、こちらはどうでしょう?
ああ、それは完全にデマですね。少なくとも僕はまったく聞いてないので(笑)。
ゲームにしろ映画にしろ、日本でなかなか「作家性」のあるクリエイターが育たないというのは、そのあたりにも原因がありそうです。
本来、いいゲームや映画をつくり続ければ、自然といいクリエイターも育ってくるはずです。日本になかなかポン・ジュノ監督のような人が現れないのは、当たり前のことです。このままビジネス優先、マーケティング優先のモノづくりをやっていると、いずれ日本の映画やゲームは本当に終わってしまうと思いますよ。
上述は極一部の内容です。詳細は以下で御覧ください。