カプコン『バイオハザード4』『デビル メイ クライ』など写真無断使用の”著作権侵害”で提訴される。1,200万ドルの損害賠償請求に(追記:和解)

訴状「Judy A. Juracek 氏による著作権侵害の申し立て」より引用

カプコンおよびカプコンUSAが、『バイオハザード4』や『デビル メイ クライ』などで写真を無断使用したとして”著作権侵害”で提訴されていると、6月4日Polygon誌 が伝えています。

アメリカ合衆国コネチカット州地方裁判所に提出された訴状によると、Judy A. Juracek 氏 は、カプコンが著作権で保護された著書「SURFACES」の写真を『バイオハザード4』『デビル メイ クライ』その他のカプコンゲームを含む複数のゲームで使用したと主張。”200”回以上の事例があると指摘しています。

「SURFACES」は、Juracek 氏が自ら撮影したテクスチャの 1,200 枚の写真のコレクション。1996年に出版された書籍の説明によると、アーティスト、建築家、デザイナーなどの”visual research”に使用することを目的としており、この写真集には画像を収録したCD-ROMが付属。Juracek氏は訴訟の中で、商業目的で使用する場合、直接連絡を取って画像のライセンスを取得する必要があるが、カプコンがライセンスのために彼女に連絡したことはないと述べています。

また、2020年11月に発生したカプコンへのハッキング事件がありましたが、その情報の中には、「バイオハザードなどに使用されているアートワークの高解像度画像」も含まれていたようで、Juracek氏は、”カプコンのハックされたファイルからの少なくとも1つの画像のファイル名【ME009】は、「SURFACES」のCD-ROMで使用されていたものと同じファイル名である “と主張しています。

訴状「Judy A. Juracek 氏による著作権侵害の申し立て」より【ME009】を引用

Juracek 氏の弁護士は、著作権侵害の疑いで彼女に最大1,200万ドルの損害賠償を支払うよう裁判所に求めています。また同氏は、使用された写真1枚につき2,500ドルから25,000ドルの使用料を求めています。

先日、『バイオハザード ヴィレッジ』の”モンスターデザイン”が、映画「Frankenstein’s Army」に似ていると、その監督に指摘されたばかり。今後の対応が気になるところです。

Source: SCRIBD uploaded by Polygon誌

VIA: Polygon

Capcom and artist ‘resolve’ lawsuit regarding alleged stolen photos in Devil May Cry, Resident Evil

カプコンは独自の開発エンジン。誰かが、著作権を意識せずに、ライブラリに入れたんだろうね。一度、調査したほうがいいと思う。

2022年2月9日追記:
2022年2月7日、Judy A. Juracek 氏 を担当した、St Onge IP 法律事務所のJonathan氏とGeneWinter氏は、カプコンと和解して、コネチカット州において訴訟を取り下げたと同法律事務所のHPで発表しました。(VIA: Polygon誌

和解契約に至ったようですね。カプコンは、こういった事案を丁寧にまとめる印象があります。